予防歯科は自費診療?保険適用内でできる処置との違いとは

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虫歯や歯周病など、歯のトラブルを防ぐために行なわれる「予防歯科」。

この予防歯科は保険が適用できない、自費診療なのをご存知ですか?

では保険が適用される処置内容はどういったものでしょうか。

今回は、自費診療で行う予防歯科と保険適用内で行なう歯石除去の処置内容は何が違うのかみていきましょう。

1. 保険適用の歯石除去

保険適用の歯石除去

1-1. 保険適用は「病名がつくこと」

保険を使って歯石を除去してもらうためにはまず、歯肉や歯周病のひとつの判断目安となる歯周ポケットを調べる検査が必要です。

つまり「歯周病の治療」という病名と理由がないと、保険を使って歯石除去ができません。

ただ歯石除去を行なうだけでは保険が適用されないということです。

歯石除去に関しては、「歯周病にならないために/歯の健康を守る歯石除去とは」も参考にしてください。

1-2. 保険適用の処置の流れ

保険適用による歯石除去の流れですが、まずお口の中全体である「パノラマ」と呼ばれるレントゲン写真を撮影します。

この写真で歯や骨の具合などがある程度把握できます。

次に歯周ポケットの検査を行ないますが、歯周ポケットとは歯と歯ぐきの境目の溝のことを言います。

歯周ポケット

歯周ポケットのイメージ写真

溝の数値をプローベと呼ばれる器具で測り、歯が動いていないかどうか「動揺」も検査し、器具や機械を使って歯石除去を行ないます。

この治療を一度で終えることはあまりなく、数週間後に改めて数値の検査、歯石除去を行い、様子を見ることが多いです。

そして、歯肉の下の根っこ部分にまで歯石が付着している場合は表面麻酔を使って深い部分まで歯石除去を行なう「SRP」という処置を行ないます。

※ただし、場合によっては必ず表面麻酔を行うとも限りません。また、注射針を使っての麻酔を行う事もあります。

このように、保険適用の歯石除去は数回に分けて、段階的に行っていきます。

2. 保険外の予防処置

保険外の予防処置

2-1. 処置内容が豊富

予防歯科では、患者の希望する処置を行うことができるため、保険適用内では使用することができない薬剤などを使って歯石ができることを防ぎます。

また、歯科衛生士が患者の口腔内の状態に適した薬剤を提案するなど、色々な選択が出来ます。

費用は内容によりさまざまですが、3,000円程度から3万円など、歯科医院によりまちまちですが、例えば予防処置20分で3,000円プラス消費税、30分で4,000円プラス消費税など、処置時間で決めているところもあります。

2-2. PMTC

予防歯科で最もよく行われる処置で「PMTC」というのがあります。

PMTCは「Professional Mechanical Tooth Cleaning」の略で、専用のペーストと機械を使用して歯の表面を綺麗にする処置のことであり、日常の歯磨きだけで落としきれない汚れを除去し、歯石を付きにくくする効果があります。

このPMTCで使う器具は通常の歯石除去を行なう機械とは別に、特殊な器具とブラシ、ラバーカップ、シリコンポイントなど状態に応じて使い、歯の表面をツルツルに仕上げます。

2-3. 高濃度フッ化物塗布

予防処置でこちらもよく使われるフッ化物塗布は、虫歯などを予防してくれる効果があります。

市販の歯磨き粉にもフッ素化合物配合のものはたくさん発売されていますが、歯科医院のフッ化物は濃度が高いため、特に子供の虫歯予防処置でよく使われています。

虫歯になる仕組みは、食事中に出る酸によりカルシウムやリンなどが溶かされて「脱灰」という状態になってしまい、このことが原因で虫歯になってしまいます。

しかし、フッ化物は再び再石灰化を促し、虫歯が出来にくくする効果があるため、予防として高い頻度で使用されます。

なお、フッ化物を保険適用内で使用する場合は13歳以下の子供で虫歯がたくさん出来てしまっていて歯科医院で虫歯予防に関する指導を定期的に受けていなければいけないという規定があります。

2-4. リナメル

歯の表面に凹凸や傷が多い場合の修復剤として使います。

このリナメルは粒子がナノサイズというとても微細であるため、歯の表面の小さな傷を修復してくれます。

メンテナンスの最後にリナメルで仕上げることによる修復、また滑択化するため着色しにくい歯を作り出してくれます。

3. まとめ

歯周病や虫歯から歯を守るために、家庭では落としきれない汚れや付着してしまった歯石などは早めに歯科医院でとってもらいましょう。

その際に、歯周病であれば保険治療を行い、口腔内に問題がなければ自費の予防歯科を選択するのが一般的といえます。とは言うものの、保険適用内で出来ることは限られてきます。

もしも歯周病などが進行していれば、保険を使った歯周病治療の一環として段階的に歯石除去を行い、状態が完全に落ち着いたあと予防歯科の処置を受けることが健康な歯を作り、口の中と体を守る第一歩となるでしょう。

 

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麻美 とうこ

歯科助手
略歴・3件の歯科医院にて歯科助手、受付業務を行っている。 歯に関する知識を日々習得中
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