歯科衛生士がやっている虫歯、歯周病にならない歯磨きの方法

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歯磨きを毎日しているのに、虫歯ができてしまう、歯周病に悩んでいるという方は意外と多くいらっしゃいます。

それはなぜでしょう。

毎日きちんと磨いていても、歯磨きの仕方が正しくなければ虫歯、歯周病になります。

今回は、歯科衛生士である私が、正しい歯磨きの方法やおすすめの歯ブラシなどをお伝えします。

1. 歯ブラシはどんなものをお使いですか?

歯ブラシを持つ女性

ドラックストアやスーパー、歯医者さんでも、沢山の種類の歯ブラシが販売されています。

使いやすい歯ブラシを選ぶことも、正しい歯磨きにつながります。

まず、歯ブラシのヘッドの大きさは、小さ目のコンパクトヘッドのものを選びましょう。

大きなヘッドですと、小回りがきかず歯ブラシの当たらないところが出てきてしまいます。

歯ブラシの毛の柔らかさはいかがでしょうか。

柔らかさは、柔らか目から普通のものがお勧めです。歯周病で歯茎の炎症が強く、歯ブラシの毛を当てると痛みがある場合は、柔らか目のものを選びましょう。

歯ブラシの毛先は、大きく分けて先細りのもの、まっすぐにカットされたものと2種類あります。

先細りのものは毛先が歯周ポケットに入りやすく、歯周病予防に効果的です。

まっすぐのカットのものは、歯の面を綺麗に磨きやすいという特徴があります。

ただ、30歳以上の人の60%以上は歯周病にかかっているといわれています。

30歳以上の方は、先細りのタイプの歯ブラシを選ぶと良いかもしれません。

歯周病に関しての詳細は、「知っておきたい歯周病の基礎知識!予防に必要な4つの対策」でお伝えしております。

1-1. 歯磨き時間は、何分?

砂時計の写真

歯磨きにかけている時間は、どのくらいでしょうか。

特に意識していないという方も、ぜひ一度測ってみて下さい。1分から3分という方、それでは少し短いです。

歯は、とても複雑な形態をしています。

また、親知らずを含め、欠損歯がない場合32本の歯があります。その歯をきちんと丁寧に磨くとなると5分以上はかかってしまうのです。

多くの方が、朝と夜の2回以上歯磨きをしていると思います。

夜の歯磨きが特に大切ですので、時間のある時だけでも夜の歯磨きには5分以上時間をかけながら丁寧に磨いてみましょう。

2. 虫歯予防の歯磨き方法

実は、歯磨きの方法には、虫歯予防に効果的な磨き方と、歯周病予防に効果的な磨き方と大きく分けて2通りあります。

ぜひ、どちらも予防できるようにしてください。

虫歯予防に効果的なのは、歯面をしっかりと磨くことです。

まず、虫歯になりやすい個所は、

①奥歯の噛み合わせの面 

②歯と歯茎の境目 

③歯と歯の間といわれています。

その3か所を丁寧に磨くことを頭に入れて磨いてみましょう。

歯ブラシの当て方は、歯ブラシの毛先を歯面に直角にあてる事です。

1本ずつ丁寧に小刻みに動かすことがポイントです。

2~3本ずつ一気に磨こうとすると、歯ブラシの毛先が当たらない部分が出てしまい効果が得られません。1本の歯に最低でも10回以上左右に細かく動かすようにします。

直角に当て歯を磨く

次に、歯ブラシの持ち方です。

ギュッと強く握るように持っていませんか?

この持ち方ですと必要以上に力が入ってしまいうまく磨く事ができません。鉛筆を握るように軽く持ちましょう。

歯ブラシを強く当てすぎてしまうと、歯と歯茎を傷つけてしまうばかりでなく、歯ブラシの毛先が広がってしまう事で効率的に汚れを落とすことが出来ません。

ほうきでゴミを集める時、ほうきを床に押し付けるように力を入れて集めようとしても、うまく集まりません。

それと同じで優しく軽い力で磨く事で効率的に綺麗にする事が出来るのです。

3. 歯周病予防の歯磨き方法

一方歯周病予防の歯磨き方法は、歯に当てる歯ブラシの毛先の角度が違います。

歯と歯茎の境目の歯周ポケットを綺麗にすることが目的です。歯茎に向かって45度の角度が理想的です。

歯周ポケットに毛先が入れるように、この時も軽い力で細かく左右に動かします。

歯磨きイメージ写真

歯茎に炎症のある場合、出血するかと思いますが驚かずにそのまま続けてください。

炎症した悪い血をしっかり出してしまって、歯茎を引き締めましょう。

歯茎をマッサージするようにして気持ちいい程度の力で磨く事がポイントになります。

この時、先ほどお伝えしたように歯ブラシの毛先は先細りのタイプを選ぶこともポイントです。

3-1. 補助用具使っていますか?

歯ブラシ以外に、補助用具は使用していますか?

虫歯も歯周病も歯と歯の間から進行してしまいます。

歯ブラシのみでは60%程度の汚れしか取れないといわれています。歯と歯の間を綺麗にする補助用具も併用しましょう。

補助用具は、歯間ブラシとデンタルフロス(糸ようじ)があります。

どちらも歯と歯の間を綺麗にするためのものですが、それぞれ用途が違います。

歯間ブラシは、歯茎が下がってしまった両サイドの歯と歯茎の間の隙間を綺麗にするものです。

歯間ブラシ写真

歯間ブラシ

一方デンタルフロスは、歯と歯の接触部、歯周ポケットを綺麗にするものです。

歯茎が下がっていない10代から20代の歯茎の隙間のない方は、歯間ブラシを無理に通してしまうと歯茎を傷つけてしまう恐れがあります。

その場合、デンタルフロスのみを併用することをお勧めします。

デンタルフロス

デンタルフロス

どちらも、使用方法を間違えてしまうと歯茎を傷つけてしまい逆効果です。

歯間ブラシのサイズは隙間にあったものを選びましょう。また、歯茎に押し付けるのではなく歯に押し付けるようにすることがポイントです。

デンタルフロスも、指に巻きつけて同様に歯に押し付けるようにして汚れを取り除きます。

 まとめ

今までのご自分の歯磨き方法と比べていかがでしたでしょうか。

もし、違った場合もまだ遅くはありません。

ぜひこの方法を実践して虫歯、歯周病予防をしていきましょう。

ただ、歯並びや歯の形など人それぞれです。

歯医者さんで歯磨きの専門家である歯科衛生士に相談してあなたに合った歯磨きの仕方を聞いてみることをお勧めします。

特に、歯間ブラシやデンタルフロスは慣れるまでやりにくいと感じるかもしれません。

また、歯医者さんで歯石取りやクリーニングをすることはご自身では綺麗にしきれなかった汚れを取ってもらったり、虫歯や歯周病を早期に発見できるチャンスです。

毎日のセルフケアに加えて、歯医者さんでの定期健診もとても大切ですよ。

 

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石田かすみ

歯科衛生士
数件のクリニックでの勤務経験あり。歯科衛生士歴7年
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