入れ歯の正しい使い方とよく起こるトラブル2選

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失った歯の代わりとなる入れ歯ですが、アナタは入れ歯の正しい使い方を知ってはいますか?

「入れ歯が合わなくて上手く噛めない」「すぐに外れてしまう」という理由で、持っている入れ歯を使用せずに食事をするという方も少なくありません。

今回は入れ歯の正しい使い方と、起こりやすいトラブルとその原因について詳しくまとめました。

間違った使い方をしない為にも、是非参考にしてみて下さい。

1. 入れ歯とは?

入れ歯とは

入れ歯は、人工的に作った取り外し可能な歯の事を指し、1本から、総義歯と呼ばれる14本の物まで作成が可能となります。

保険と自費で仕上がりに違いがうまれ、保険適応の場合であれば「安い」「分厚い」「壊れやすい」、そして自費の場合だと「高い」「薄い」「壊れにくい」という特徴が存在します。

使用感を重視したいのであれば自費での作成が適切ではありますが、保険を使って作成した入れ歯が必ず合わないというわけではない為、初めは保険で作成し、合わなければ自費で再作成するという方がほとんどです。

詳細は、「保険も適用できる!入れ歯とブリッジのメリット・デメリット」でお伝えしております。

2. 入れ歯の正しい使い方

入れ歯は、個人で行うお手入れが必要不可欠となります。

衛生管理を怠ると、口腔内に存在する細菌が増殖し、歯肉の腫れや残っている歯が虫歯になるだけでなく、カビが発生し、嚥下機能が低下している方であれば誤嚥性肺炎の危険性が高まります。

必ず以下の手順で管理を行うようにして下さい。

2-1. 入れ歯を外し、流水下で歯ブラシを使って擦り洗いを行う

入れ歯の洗い方

入れ歯の隅々の部分まで歯ブラシを使って、丁寧に汚れを落とす

入れ歯の表面と裏面だけでなく、歯と歯の間や、歯と歯茎の境目など、窪みがある所にも歯ブラシの毛先を当ててください。
口腔内と同じように、入れ歯であっても付着した歯垢は歯石となり、それが原因で更に汚れが溜まりやすくなります。

2-2. 入れ歯洗浄剤を使用する

グラスで入れ歯を洗浄

グラスの中に入れて入れ歯を洗浄する

水と入れ歯洗浄剤を混ぜ合わせ、その中に入れ歯を入れます。

その際に、必ず入れ歯が完全に水に浸かっている事を確認するようにしてください。その後、1時間程度浸け置きしましょう。

入れ歯洗浄剤は、除菌を目的とする物であり、汚れや歯垢などは落とすことができません。

その為、使用する前には必ず歯ブラシ、または入れ歯専用のブラシで擦り洗いを行う必要があります。

3. よくある入れ歯トラブル2選

入れ歯を日々使用していると様々なトラブルが発生します。その中でも特に多いものを2つご紹介致します。

原因と対策法を理解し、改善する事で、より快適に食事を楽しむ事が出来ます。当てはまる方は、すぐに歯科医院でみてもらいましょう。

3-1. 入れ歯をいれて噛むと痛い

原因として、骨の変化や入れ歯の変形が考えられます。

加齢による骨の変化は入れ歯の安定感や使用感に大きく関係しており、一生同じ入れ歯が心地よく使えるという事は決してありません。

総義歯ではなく、部分的な入れ歯である場合、残った歯の移動や傾きがあると入れ歯に動きが起こる為、痛みを感じる事があります。歯科医院で調節を行う、または新しく作るなどして対処しましょう。

また、入れ歯の変形は、入れ歯の着脱のやり方が間違っている場合に起こりやすいといわれています。

間違っているやり方とは「入れ歯を噛んではめる」やり方です。

噛んではめるのではなく、しっかりと指を使って押してはめて下さい。

噛んではめると、残っている歯や骨に圧がかかって、入れ歯の変形だけでなく、歯が折れたり、骨の変形が起こるなどの原因となります。

3-2. 入れ歯がゆるい

原因には、骨の変化が考えられます。

「歯肉が痩せる」というのは、骨が徐々に吸収されているという事であり、入れ歯の安定感に変化がうまれます。

歯科医院で行う処置に、リベースというものがあります。

リベースとは、直接入れ歯の内面を張り替えるものであり、ゆるさの原因となる隙間を無くし、ポリグリップ等の安定剤を使用しなくてもよい状態にする事が可能となります。

リベースで使用される素材には徐々に硬くなるという性質があり、日々使う中で口腔内の状態に合った入れ歯が作成されるというしくみになっています。

長期に渡る安定剤の使用は、骨の吸収を早めるともいわれていますので、出来るだけ安定剤の使用はせずに、歯科医院にて適切な処置を行った方が良いといえます。

4. 入れ歯をせずに食事をしてはダメな理由

よくある入れ歯のトラブル

入れ歯によるトラブルは、使用する方の食欲を下げたり、使用する気力を失わせてしまいます。

しかし、本来入れ歯無しでは噛めない方が、入れ歯を使用せずに食事をした場合、骨の吸収が急激にすすんでしまう為、大変危険だといわれています。

骨の吸収によるトラブルは、入れ歯の安定感や使用感がより悪くなるだけでなく、下顎の場合であれば顎の中に通る大きな神経が露出してしまう可能性があり、その神経が傷ついてしまうと顔面に麻痺が起こるといわれています。

麻痺が起こってしまってからでは、それを治す事は歯科医院では不可能であり、その方の今後の人生にとって大きな損失となります。

入れ歯によるトラブルはどんな些細な事であっても、早めに対処するよう心がけ、入れ歯無しで食事を摂る事は絶対にやめましょう。

5. 要介護者の入れ歯管理と口腔内清掃

要介護者の入れ歯

寝たきりで入れ歯という方は大変多く、自分では入れ歯や口腔内の管理を行えないケースも少なくありません。

その場合、介護者がしっかりと知識を持ち、適切な処置を行う必要があり、病気の悪化防止という面でも歯科のメンテナンスは大変重要視されています。

入れ歯の不具合等は、本人にしか分からない為、表情や言葉で判断する他なく、出来るだけ早めの改善が望ましいといえます。

また、入れ歯を外した後の口腔清掃は、総義歯である場合だと、歯ブラシを使用する事は出来ません。

清潔なガーゼ、または専用のスポンジ等を使って、歯肉や上顎など、こびりついた汚れも丁寧に落としてください。

その際、乾いた物を使用すると粘膜が擦れて痛いので、必ず水やジェルなどの保湿剤も一緒に使用しましょう。

舌も汚れが付着しやすい場所である為、本人に舌を出してもらうか、難しいようなら片方の手で舌を軽く引っ張り、奥から手前にかけて拭き取ってください。

6. まとめ

入れ歯をする事で感じる不快感は、入れ歯を使用した人でなければ決して気付く事はできません。

入れ歯にならないよう普段から気をつける事は勿論ですが、入れ歯になってしまった以上は、その正しい使い方、管理方法を十分に把握し、噛めるという喜びを長く感じられるよう勤めなくてはなりません。

入れ歯を使用している方は、今回の内容を是非参考にして頂ければと思います。

また、現在入れ歯でない方であっても、身近で入れ歯に困っている方がいれば是非サポートしてあげてくださいね。

 

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歯科ペディア

「歯の健康を保つ応援メディア」歯科ペディアです。 歯科医師監修のもと、歯科業界の現場で活躍している方がライターとして記事を執筆、情報を発信しています。
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